cafistar

Aug 17

中沢:
僕ヒマラヤへ入っていったわけですよ。それで僕の荷物を持ってくれているシェルパの人、ずっとウォークマン聞いているんですよ。で、まあマイケルジャクソンだったと。笑 僕としてはエキゾチックというか、、冒険家の気分なんですね。日本人の研究者が踏み込んだことないところに行くわけですけど一緒に歩いているシェルパの人はそんな意識まったくないわけですよ。だって日本人にしても欧米人にしても冒険だと思って出かけていくけれどそこに住んでいる人たちにとっては日常なわけで、そんなのは幻想に過ぎないんですね。

で、イヤホンを耳につけたとき、これがマイケル・ジャクソンだったときの衝撃っていうのがあるのね。外の世界ではお経の世界とかあるわけ。冷水を浴びせられるような思いがしたんですね。

つまり何か未知のものを手に入れて、それを高々とこう、かざすようにして元の国や共同体に戻っていくのはだめなんじゃないかと思った。つまり地球上は誰かが一度は歩き、誰かが一度はフィルムにおさめ、誰かが一度は語ってきた世界になっているんじゃないかと。そうしたとき、僕らにやらなきゃいけないことは冒険じゃないんじゃないかと思った。大事なのは、細野さんもいったけど路地裏だと思っている。つまり誰もが知っていて、誰もが当たり前だと思って使って楽しんでいるものがあって、それを全然違う目で見て、違う編み上げ方で作っていったとき、今までの世界ががらっと姿を変えてくれる。そういう風にしてぼくらの文化や未来は作り上げられなくてはいけないんじゃないかと思った。

多摩美術大学「21世紀文化論」中沢新一×細野晴臣

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